群の作用から来る軌道と同値類について考えてみる
今回は作用から来ることについて考えてみる。具体的には軌道とか同値類についてだけど、まずは作用についておさらい。
おさらいといってもこれくらいしかないか。あえて言うならGは群でXは集合とかかね。ともかくこうして作用というものが定義されるとここから軌道と安定化部分群というものが出来る。安定化部分群は固定化部分群ともいうようだけど。ともかくこちらが定義になります。
で、今回考察するのは定義の上、軌道についてです。安定化部分群については次回かな。そんな感じ。
さて、作用から来るものがもう一つあって、それがXにおける同値関係、ということになる。これも定義はこんな感じ。
軌道を使ってXの上に同値関係を持ち込むわけ。で、同値関係が入ったらXを同値類に分割できるから、Xの元xに関する同値類をC(x)とすればその定義はこんな風になるはず。
あ、今更だけど同値関係になることは略。まぁ何とでもなるだろうし。
さて、とりあえず今回必要となるものはこんなところだけど、作用というものが入るだけでずいぶん色々定義できることに驚く。
ただし驚くのはこれからで、今回は上で述べた軌道と同値類が同じものであることを証明していく。
軌道を学習する際に二つの軌道に共通する元があればもともと軌道は同じものだ、というのがあったけど、これって実に同値類的な印象だよね。これが単に印象じゃなくて、軌道というのが同値類であることを示そうというわけです。
つまりこういうことね。Xから一つの元xを取ると次が成り立つ。
それでは証明スタート。証明はオーソドックスに互いの集合の包含関係で行くよ。まずは右辺の元なら左辺の元になること。
ミソは z=e・z という変形かな。言われてみればどうということもないが。ともかくこれで半分終了です。
一方逆の包含がこちら。
こっちもz自身がG・zの元であることを明示するだけ。これで二つの軌道に共通元があるんだからもともとの軌道が等しい、となって証明終了です。
一応これでいいんだけど、自分レベルだと軌道に共通元があるから軌道が同じ、というのは引っかかる。それでここは個別に証明の必要を感じるので実際にやってみた。こんな感じ。
一応上とは別口、ということでtという共通元がそれぞれの軌道に存在するなら、という仮定で行きますね。示すべきことはこんな感じ。
仮定よりtがそれぞれの軌道に含まれるからあるGの元g,hがあってこうtは書ける。
これで準備が終わったので、右辺の集合の包含を言っていくよ。こんな感じ。
これでG・xの元ならG・yの元であることが言えたから片方の包含が言えたことになる。逆向きの包含も全く同様に言えるので、これで示すべきことが示されたことになるだろう。
さて、今回はこんなところ。証明とか考察については自信があるわけじゃないけど、そう的を外してるわけでもないと思うんだけど。まぁ完璧に自信があるとは言えないのはいつものことだけどね。
あと今回の考察で重要だと思われるのが、具体的な作用、右作用とか共役作用とか、そういう具体例を使っての証明ではないので、上のことは作用一般について成り立つはず、ということかな。大丈夫だと思うんだけど。
次回は安定化部分群の話から位数とかを考える予定。それが終わってやっと共役類について考えることが出来るだろう。順調に行くといいんだけど。