x^2(xの2乗)の連続性をもとにε‐δの図形的な考察をしてみる
x^2の連続性なんて実に簡単で、xが連続、連続関数の積は連続、よってx^2も連続、で事足りる。さらにこれだと3乗、4乗、などいくらでも連続性が証明できるのだから、実に優れた方法と言える。
でもまぁ最初のうちは練習ということで、2乗の関数を定義に基づいて連続であることを示す、というのはよくあることです。
でもこれ、実際にやってみると思いのほか面倒で、でも確かに練習にはもってこいだったりするので、多くの学生は苦労することになるわけです。
ところで今回はそんなことを考えてたら思いついたことを掘り下げてみようかと。内容はε‐δについてだけど、位相についての考察にもなると思うので、自分としても割としっかり考えてみました。
とりあえず2乗の関数の連続性だけど、ごくおおざっぱに言うならこんな流れになるはず。
まずy軸の方に任意のεを取る。
続いてそれぞれx軸へ引き戻す。
すると図から明らかにaの周りにδが取れるだろう、と。
おおざっぱすぎたか。でも言いたいことは十分伝わると思う。一応注意するけど、これで解答とかいったら定期テストでは0点だから注意。そもそも図から明らかじゃあ証明にもなってないからね。
まぁそれはともかく自分が疑問に感じたのが、まず最初にy軸のほうの値から議論を始める、ということ。
これはあくまで自分のイメージだけど、連続を考えるときはまずx軸の方の値から始めて、関数とぶつかったところでy軸の方へ移動する感じ。
ところが実際のε‐δはまずy軸の方の値に注目してその周辺にεをとる。
この順番は連続の定義からも言えると思う。
さて、これをどう考えるべきなんだろう?ということだけど、そもそも連続の定義というのはy軸、というか値域の方から始めるものなんじゃないかと。
それはつまりx軸の方から始めるとなんとなく感じていた感覚が間違っているのだと、そういうことなんじゃないかと。
さらに図から考えるなら、x軸のaが、y軸からやってくる範囲に入ってるから、もしその範囲が開区間なら、いつでもδが取れるんじゃないか、ということ。
ここでちょっと話を横道に。開区間の特徴についてだけど、
aが開区間に入ってるなら、当然その周辺も十分小さいδを取るならそっくり開区間に含まれる、というのが成り立つ。
これは図のように閉区間では成り立たない特徴で、区間の端っこも含まれてしまうことに起因する。
さて、元に戻るけど、以上を考えると関数の連続というのは開区間がカギになるのは間違いない。ε‐δによるとy軸の方の開区間はεを使って(a^2-ε、a^2+ε)となるから、これをx軸に戻した範囲、(√a^2-ε、√a^2+ε)が開区間なら、当然aの周囲に適当なδが取れることになる。
このことをもうちょっと突っ込んで言うなら、関数fがaで連続、とは、
y軸のf(a)を含む任意の開区間の逆像、つまり区間全体をx軸に引き戻した区間が、再び開区間になること、
と言えるだろう、ということです。図で書くとこんな感じ。
さてここまでの考えから一つ、y軸上に取る開区間は任意でなくても一つあれば十分なんじゃ?という疑問を感じるかも。この疑問は恐らく連続関数の図が頭に残りすぎて、それに引っ張られて出てくるんじゃないかと。自分はそう感じたけど。
でもこれは実際に不連続な関数を図示すれば直ちに否定されることです。
例えばこんな感じ。
図からεを大きくとればx軸に移した範囲も開区間になっちゃうけど、εの幅を小さく、具体的には白丸より下に持ってくると、x軸に移した区間はaのところで閉区間の右端になっちゃうね。
これだと当然δは取りようがないので、この場合はaで連続とは言えない、ということになる。
さて、今回の研究はこんなところだけど、これはx^2の連続性を考えてるときに思いついたこと。さらに位相についても多少の知識があるので、それらをまとめてみた、という感じです。
まぁ一年前期の学生の夏休みの課題、としては何とかクリアできるくらいの話なんじゃないかと思うけどどうだろう?ちょっと自己評価が甘すぎるか?