ε‐δの否定がどうなるのか、細かく考えるといつも迷うので、今回は疑問も含めて考えてみる
本文に入る前に、この記事はAKITOの勉強チャンネル - YouTubeの微積分第14講での話が前提になってるので、そちらを視聴してないと話が見えにくくなると思います。
それではまず最初に論理記号について。といってもそっちはググればたくさん結果が出てくるので、ここではとりあえず最低限のこれだけを置いておきますか。
これ自体はどこででも見つかるし、すでに知ってる人も多いと思う。一応右側に含意の否定を書いておいたけど、自分が悩むのは決まって含意、つまり「ならば」の否定ですね。
そこでとりあえず今回は授業動画とのからみで、ε‐δの否定がどうなるのか、を中心に考えていくことにしました。答えはすでに動画の中で示されてるので、自分の考えのどこがおかしいのかを再確認しようというわけです。
まずは極限を論理式で書き直してみる。こうすることで全体の否定が機械的に導き出せるからね。この否定がこちら。
さて、ここまでは授業動画で示されてた式だけど、特に疑問はなかったはず。実際含意の否定そのままだし、本来なら疑問の余地などないはずだけど。
そこでこんなものを考えてみる。
命題として、「xが集合Mに含まれるなら、条件Pがなりたつ」という簡単な含意の形。これを下向きと右向きでそれぞれ否定してみた。
下向きは正解ルート。「あるxが存在し、かつ、Pの否定が成り立つ」というもの。一方で右ルートをたどると、まずは含意を論理式に書き換えて、その後否定したわけだけど、正解と比べると全称記号と特称記号に違いがみられる。
正解ははっきりしてるので、じゃあ右ルートの何が悪いのか?という疑問が出てくるわけです。
この点はε‐δでも同様の問題が出てくるわけで、0<lx-al<δというのは結局xがある集合に含まれている、というわけだし、xは(条件を満たすような)任意のxだから、ここでも全称と特称が入れ替わるのは避けられない。
そこで改めて簡単な例を調べてみる。
(注)Pの否定の書き方をうっかりPバーにしてしまった。
こんな風にMの元としてのxに付いてた全称記号を外に出して考えると、これはきちんと正解ルートの結果と同じになった。
ついでにε‐δの否定についても確認してみる。
こっちもxの全称性を含意の外に出して考えるとうまくいくことがわかる。授業動画の、δ=1/nについても各々のnに対してx(n)が取れることも、よりはっきりすると思う。
さて、とりあえず自分なりに丸一日考えて得た結論だけど、含意の条件に全称記号や特称記号は入れないようにするべき、という感じですね。
ただだからと言ってそれで全部すっきりしたか、というとそういうわけでもない。そもそもなんでダメなのか?という部分にはノータッチだし、そこを突っ込まれたらどうにもなりません。
今回のことはすでに結論を知っているからこそ、こうじゃないか?とつじつまを合わせただけ、というのが本当のところですね。
今後のことだけど、論理記号についてこれ以上突っ込むのはストップです。自分としても積分とかベクトル空間の話に早く入りたいし、そっちの方がやりがいもある。ただもし機会があれば論理記号の扱いについて一から勉強してみるのも悪くないかもしれない、とか思ったり。