シローの定理も最終段階です
長く続いたシローの定理との付き合いもいよいよ今日で終わるはず。まぁ演習とかはあるんだけどね。でもとりあえず定理の証明についてはここまで来たよ。
ということで証明に入るけど、本日はAKITOさんの講義の中のシローの定理(4)-2という感じ。番号は自分で勝手につけたけど、講義動画を見ればどういうことかわかるだろう。とりあえずいつものようにリンクを張りますか。
それでは証明だけど、まずは前提と示すべきことなどをきちんと明示しておきますか。
条件は前回と同じですね。この時次が成り立つ、と。
正規化群の定義は出しておきますか。勘違いがあってもいけないしね。
さて、それじゃあ証明に入るけど、まずは割と一般的な感じで作用の話を語っていく。こんな感じね。
作用として共役作用を考える。さらに同値関係もこんな風に明示しておく。
ちょっと最後の貼り付けがうまくいかなかったけど、普通に同値でつないでるだけなので深い意味はない。
ここで上の定義をしっかり考えていく。まず
「QがPの軌道に入っている」ということが、「QがPと共役である」ということを意味するから、軌道に含まれる元と、共役な元とが1対1に対応するだろう。イメージはこんな感じ。
このことは後々必要になるのでイメージをつかんでいくこと。
さて、ここでXの元Pを一つ固定してそれとの同値関係を考えることで、Pの軌道とか安定化群とかが考えられるだろう。それぞれこんな感じ。
さらにこれらについて位数を考えるとこんな関係があるのであった。
この辺は作用についての基本事項、ということでよかろう。
さらにPの正規化群について。定義はこっちだけど
この作用において、Pの安定化群と正規化群が同じものであることがわかる。したがって次が成り立つだろう、と。
さて、これで一般的な話が終わったのでこれらを具体的な話に当てはめて証明を進めることにしよう。
まずはPとしてシロー部分群Hを採用する。適当なものを一個決めればよかろう。HはもちろんXの元でもあるから、上の考察がそのまま利用できるはず。したがって次が言えるだろう。
さらにG・HはHの軌道だから、Hと共役な元はすべてこの軌道に含まれるだろう。逆にこの軌道の元なら互いに共役であることも作用の定義から明らかであろう。
ここでp-シロー部分群について考える。シローの定理(3)によればp-シロー部分群どうしは互いに共役である。ということはp-シロー部分群はすべてHの軌道に含まれるわけである。
逆にG・Hに含まれるならp-シロー部分群と言えるか?という問題があるが、それは次のように考察していく。
いま軌道から適当なXの元Pを一つ取ってくる。
すると次が言えるだろう。
下の同値命題は具体的に集合の包含で容易に示されるから問題あるまい。
さて、Pg、gHについて考えていく。これらはその形からそれぞれGのP、Hによる剰余類の元と考えられるだろう。
さらにP、HはともにXの元、すなわちGの部分群だから、各剰余類に含まれる元の個数はP、Hと等しいはず。すなわち
となるだろう。さらにPgとgHはイコールで結ばれているんだから、当然それぞれの位数は等しい。よって次が成り立つだろう。
これは軌道から取ってきた任意の元の位数がHの位数と等しいことを表しているから、結局Pもp-シロー部分群、ということになるはず。
以上により、Hの軌道、G・Hに含まれる元はすべてp-シロー部分群であることが示されたので、次が成り立つ。
これと途中で出てきた式を合わせて次が成り立つことになる、と。
これで示すべきことが示されただろう。
これでやっとシローの定理が全部終わった。自分的にはどこかに穴がある、という不安もあるけど、とりあえずこうしてまとめられただけでも十分な成果と言えよう。
問題があればいずれ気付くだろうし、そのころには数学の学習も進んで、より高い次元から物事を見ることもできるはず。そう考えるとここで立ち止まるよりはどんどん先に進むことを考えたいところです。
群論についてはAKITOさんの講義の最終に可解群が残ってるけど、その前に演習を挟んでそれからかな。可解群の講義はまだ見てないけど、無理そうなら放置も考えてます。
その後は位相に入るけど、相変わらずどの講義で学習すべきか悩んでるところ。数学の基礎にもかかわらず適当な講義動画が無いというのはこっちとしてはつらいところだけど、まぁ何とかするしかあるまい。