群論も今回でいったん終了。あと今後のこととか。
本日は群論の第27講、可解群についてだけど、初めに行っておくけど、今回は交換子群について確認するにとどめてます。
理由としては可解群の話自体がかなり先、具体的にはAKITOさんの代数学の第90講、有限可解群あたりの話で、それをちょっと見てみたら今回の話を一旦まとめて、それから講義に入る、という流れなので、可解群の話はその時まとめてやったほうが良いだろう、という判断です。
ぶっちゃけると今ここであれこれやっても90講あたりを視聴するときにはほぼ何も覚えてないんじゃないかと、そういう感じもあるわけ。そもそもそこまで到達するのか?というのもあるけどね。
でもだからと言って全部飛ばすのもどうか、と思ってたら、手持ちの教科書には交換子群はこのあたりで出てきてるので、とりあえずそれだけは触っておこうかと、そんな感じですね。
そういうわけで本日の講義もいつも通りこちらから。
ところで交換子群についてだけど、定義をきちんと押さえておけばとりあえずどうということはないと思う。
取り合ず今の段階で基本だと思われる定理はこの三つくらい?だと思うけど。
一つ目はこれ。
交換子群がGの正規部分群であること。正規部分群とか久しぶりに見たので定義とか色々見直したわ。で、その後講義を視聴して完璧、と。
続いて二つ目はこちら。
Gの、交換子群による剰余群がアーベル群であること。これも講義で普通に納得。
さらに三つ目、これね。
剰余群が可換になるような正規部分群について、それと交換子群の関係かな。これは上二つと違っていかにも定理、という感じがするけど。
このあたりを使って交換子列とかが出来るみたいだし、どんどん交換子群を小さくしていって、最終的に単位元だけの群になるか、それとも余計なものが最後まで残るのか、というかね。
まぁ27講も一応最後まで視聴はしたけど、本当にざっと見ただけだから交換子列とかはあくまでそんなイメージ、というだけですが。
さて、これでとりあえず群論は終了としますね。今までをざっと見直してもここまで来れば初学としては十分だろうし。
で、次だけど、ずっと気になってた位相に入る予定。でもまだ適当な講義動画が決められなくてね。
一応教科書は持ってるし、目次を参考にしながら漏れがないようにあっちこっちの講義やらホームページで勉強するしかないかな。
位相の学習についてはいきなり集合に開集合系を設定する、というやり方と、まずはユークリッド空間でおなじみの話題から入る、という二通りがありそう。
自分としては集合に位相を入れて、位相空間についてあれこれ学習を進めつつ距離空間とかユークリッド空間に至る、という道を進みたいけど、そっちはおそらく茨の道だよね。
でもこういった進め方は群論でもやってると思うし。例えば集合に演算を設定して群となす、というのは似たような進め方だったとは言えないだろうか?
だとすると今の自分ならそういう学習の進め方も不可能ではないと思うんだけどね。
まぁどうするかはまだ迷ってるけど、とりあえず次回からは位相について取り組んでいきますね。そういうことでよろしく。
シローの定理も最終段階です
長く続いたシローの定理との付き合いもいよいよ今日で終わるはず。まぁ演習とかはあるんだけどね。でもとりあえず定理の証明についてはここまで来たよ。
ということで証明に入るけど、本日はAKITOさんの講義の中のシローの定理(4)-2という感じ。番号は自分で勝手につけたけど、講義動画を見ればどういうことかわかるだろう。とりあえずいつものようにリンクを張りますか。
それでは証明だけど、まずは前提と示すべきことなどをきちんと明示しておきますか。
条件は前回と同じですね。この時次が成り立つ、と。
正規化群の定義は出しておきますか。勘違いがあってもいけないしね。
さて、それじゃあ証明に入るけど、まずは割と一般的な感じで作用の話を語っていく。こんな感じね。
作用として共役作用を考える。さらに同値関係もこんな風に明示しておく。
ちょっと最後の貼り付けがうまくいかなかったけど、普通に同値でつないでるだけなので深い意味はない。
ここで上の定義をしっかり考えていく。まず
「QがPの軌道に入っている」ということが、「QがPと共役である」ということを意味するから、軌道に含まれる元と、共役な元とが1対1に対応するだろう。イメージはこんな感じ。
このことは後々必要になるのでイメージをつかんでいくこと。
さて、ここでXの元Pを一つ固定してそれとの同値関係を考えることで、Pの軌道とか安定化群とかが考えられるだろう。それぞれこんな感じ。
さらにこれらについて位数を考えるとこんな関係があるのであった。
この辺は作用についての基本事項、ということでよかろう。
さらにPの正規化群について。定義はこっちだけど
この作用において、Pの安定化群と正規化群が同じものであることがわかる。したがって次が成り立つだろう、と。
さて、これで一般的な話が終わったのでこれらを具体的な話に当てはめて証明を進めることにしよう。
まずはPとしてシロー部分群Hを採用する。適当なものを一個決めればよかろう。HはもちろんXの元でもあるから、上の考察がそのまま利用できるはず。したがって次が言えるだろう。
さらにG・HはHの軌道だから、Hと共役な元はすべてこの軌道に含まれるだろう。逆にこの軌道の元なら互いに共役であることも作用の定義から明らかであろう。
ここでp-シロー部分群について考える。シローの定理(3)によればp-シロー部分群どうしは互いに共役である。ということはp-シロー部分群はすべてHの軌道に含まれるわけである。
逆にG・Hに含まれるならp-シロー部分群と言えるか?という問題があるが、それは次のように考察していく。
いま軌道から適当なXの元Pを一つ取ってくる。
すると次が言えるだろう。
下の同値命題は具体的に集合の包含で容易に示されるから問題あるまい。
さて、Pg、gHについて考えていく。これらはその形からそれぞれGのP、Hによる剰余類の元と考えられるだろう。
さらにP、HはともにXの元、すなわちGの部分群だから、各剰余類に含まれる元の個数はP、Hと等しいはず。すなわち
となるだろう。さらにPgとgHはイコールで結ばれているんだから、当然それぞれの位数は等しい。よって次が成り立つだろう。
これは軌道から取ってきた任意の元の位数がHの位数と等しいことを表しているから、結局Pもp-シロー部分群、ということになるはず。
以上により、Hの軌道、G・Hに含まれる元はすべてp-シロー部分群であることが示されたので、次が成り立つ。
これと途中で出てきた式を合わせて次が成り立つことになる、と。
これで示すべきことが示されただろう。
これでやっとシローの定理が全部終わった。自分的にはどこかに穴がある、という不安もあるけど、とりあえずこうしてまとめられただけでも十分な成果と言えよう。
問題があればいずれ気付くだろうし、そのころには数学の学習も進んで、より高い次元から物事を見ることもできるはず。そう考えるとここで立ち止まるよりはどんどん先に進むことを考えたいところです。
群論についてはAKITOさんの講義の最終に可解群が残ってるけど、その前に演習を挟んでそれからかな。可解群の講義はまだ見てないけど、無理そうなら放置も考えてます。
その後は位相に入るけど、相変わらずどの講義で学習すべきか悩んでるところ。数学の基礎にもかかわらず適当な講義動画が無いというのはこっちとしてはつらいところだけど、まぁ何とかするしかあるまい。
シローの定理(4)-1に取り掛かる。と言ってもこれを書いてる時点で終わってるんだけどね。
シローの定理もいよいよ最終の(4)まで来ました。さすがに歯ごたえがあったよ。まぁ基本的な定義とかがあいまいなままで取り掛かってるから、というのが難しさに拍車をかけてるような印象だけどね。でも学生レベルならそれも致し方なかろう。
今回も前回同様こちらの講義で勉強してます。視聴後にこの記事を見れば何をやってるのか、より分かりやすくなると思うよ。
それでは本題に行きますか。まずは前提とか定理とか。
今回からペンを換えたけど、十分見えるだろうから問題はなさそう。定理だけど、まずは(4)-1ということで、sをpで割った余りが1になることだけに絞ってます。
次にこれまた前提となる集合とか作用とかを考えておく。
Yの定義はきちんと確認のこと。あと、H1をHとして固定しておく。一般にHiとしてもいいはずだけど、どれでもいいならH1でも問題ない、という感じ。
ともかくこの固定したHを使ってYへの作用を考える、と。さらに作用があれば軌道や固定化部分群が出来て、さらにYを軌道によって分類できるだろう、と。こんな感じ。
ここで軌道による分類は講義の中ではいい感じに、と言ってるけど、これはもちろん同じ軌道は2回数えないように、ということね。軌道に複数の元が入る場合だと、「いい感じ」にしないと重複して数えることになっちゃうし。
すると位数をこんな風に表せるだろう、と。
この段階で改めて確認だけど、軌道に含まれる元とYの元が1対1に対応してることは注意。複数の元が含まれる軌道にはそれと同数のYの元が対応してるし。軌道を考えれば当然だと思うけど、微妙に納得しづらい気もするので軌道の図でも用いて考えるのが良さそう。「いい感じ」の意味も見て取れるだろう。
さて、ここで一旦話が変わって、次を考える。すなわち、G:群、H:その部分群としてHの正規化群N(H)を考える。この時HはN(H)の正規部分群になる、ということなんだけど、こんな感じ。一応正規化群の定義も書いておく。
とりあえず証明していきますか。とりあえず
を示せばN(H)の部分群であることは確定。さらにN(H)の定義をよくよく見れば、正規部分群であることも成り立つのがわかるはず。ということで上を示すが、まず
は明らか。よって逆向きの包含を示せばよかろう。それがこちら。
今、
とすると
となるから、これで逆向きの包含も言えた。この辺の変形はよくある形なのでどうとでもなろう。ともかくこれでHがN(H)の正規部分群になることが言えたはず。
さて、ここで話を戻して証明の続きに入るが、そのために一旦次の状況を考える。
Hiの軌道に含まれる元がただ一つ、つまりHiのみ、という状況。この時何が言えるのか?ということを考えてみる。まずは式を同値命題でつないでみると
こうなるだろう。二番目は軌道に元が1つしかないんだから、何を作用させても行きつくのはその元しかないだろう、ということ。さらに正規化群を使って二番目を言い換えたのが三番目、という感じ。問題はないと思うが。
ともかくこれでHがN(Hi)の部分群であることは確定した。さらに先ほど別口で考えたことを用いればHiがN(Hi)の(正規)部分群であることも良いだろう。
つまり、HとHiはともにN(Hi)の部分群となるから、その位数はN(Hi)の位数の約数になる。以上を踏まえてこの辺を整理すると
が成り立つはず。正規化群はもちろんGの部分群だし、それを考えればこのような大小関係が当然成り立つはず。さらにGとN(Hi)の位数について考察する。
Gの位数をこんな風にmを因数分解する。
この時各miはpと互いに素ね。さらにN(Hi)の位数はGの位数の約数だから、上のmiをいくつか取ってこんな風に表せるだろう。
pのa乗が残るのはHの位数を考えた結果。大小関係を考えれば当然のはず。
さて、N(Hi)の位数がこのように表せる、ということはつまりHとHiがともにN(Hi)のp-シロー部分群であることを意味するはず。
するとシローの定理(3)から次が言えるだろう。
つまり最初の仮定、Hiの軌道に含まれる元が一つ、ということならそれはH自身になるほかはない、ということになる。
この部分をまとめるとこんな感じ。
上二つの同値はいいとして、三番目の左向きの矢印は二番目の式を挟むことでこれまた明らか、ということになるだろう。
ともかくこれで軌道の元が1個ということがどういうことか明らかになったと言える。
さて、これで必要な情報が出そろった、ということで最初の方で止まってた証明の続きをやっていこうと思う。これだけど
この続きをこんな風に展開していく。
和のH1だけを先に取り出すが、もともとH=H1だったので、その軌道の元の個数は1になるだろう。さらにほかの軌道についてだけど、H1以外は当然Hと異なるから、その軌道に含まれる元の個数は1にはならない。まぁこれを言うために上で延々やってたわけだが。
さらに1を除いたシグマの中の軌道についてだけど、それぞれのHiについて作用と軌道と安定化群を使って位数をこんな風に表せる。
したがって軌道の位数はHの位数の約数になるはず。ところでHの位数はp^aだから、結局軌道の位数として取りうる値は、1かpのべき乗になるだろう。ところが軌道の位数が1でないことはすでに確認済みなので、最低でもpの1乗、つまりpの倍数になることが確定する。
するとシグマの部分は適当な自然数kを用いて
と表せる。この右辺をpで割れば、あまりが1だから、結局次が成り立つ。
これにてシロー定理(4)-1が示された、と。
ふぅ、以上とりあえず何とかなったかな。自分的にはそのつもりだけど、院生や教授、学部生にあれこれ突っ込まれたらあたふたするのは目に見えてるが。まぁその辺は今後経験を積むことでしか解消できまい。
さて、今後だけどとりあえずAKITOさんの講義の中のもう一つ、自分的にはシローの定理(4)-2というイメージだけど、それを片づけて、さらにexとして位数15の群について考える、という流れ。
例題については群の直積もからむし、その辺に対する自信は全くないので、復習がてらやらなきゃならないだろう、という感じ。
それでやっとシローの定理が終了、という感じです。
はぁ、それにしても長かったわ。もともと講義時間も1時間近いし、覚悟はしてたけどね。その1時間の講義を自分なりに消化して形にするのに丸二日はかかったと思う。まぁそれでもこうして消化できただけましだけどね。
今後もこの調子で行きたいけど、いずれどこかで行き詰まる、ということもあるのかね。ちょっと不安を感じたりとか。