離散距離空間というのは距離空間を考えるうえで割と適切な例だと思う
距離空間を考えるうえでもっとも障害になるのは、既存の知識、具体的にはユークリッド空間の常識的な判断だと思うけどどうだろう?
位相空間とか距離空間を学ぶうえでまず心がけるべきことは、そうした思考の土台の組み換えというか、そういう部分なんだと思う。恐らくこの辺の難しさはすべてそうした土台の組み換えが出来ていないことに由来すると思うわけ。
ではどうするか?ということだけど、今回距離空間を学ぶに当たってあっちこっち調べたわけだけど、距離空間の例ということでこちらを大いに参考にしました。
とりあえず位相について多少知識がついてきたころに視聴するにはちょうどいい感じだと思う。ここでは様々な距離空間の実例を考えるわけだけど、特に自分が興味を持ったのは離散距離空間というもの。
なんとなく数学的な思考の対象にはなりにくそうな印象だけど、一方で距離空間というものが自分の常識とはかけ離れたものであることを認識するにはちょうどいいと思う。
今回はそのへんをまとめてみた感じです。あ、もちろんこっちもいつも通り学習の軸として参照してますよ。
さて、それじゃあ早速離散距離空間について考えてみますか。まずは定義から。
といっても基本これだけです。自分自身との距離が0、自分と異なる点との距離が1,という距離を考えるわけ。これが距離の公理の3条件を満たすことは容易に確認できるだろう。
ただしこの時点でまず考えるべきことが出てくる。それは公理の3番目、三角不等式についてだけど
これはもちろんいいんだけど、離散距離についてこんなことが成り立つことがわかるだろう。
ちょっと誤解を恐れずに言えば、図のような位置関係において1=2,もっと言えば1と任意の自然数が等しくなってしまうことがわかるだろう。
もちろん1=2なんて式が成り立っては困るわけで、じゃあどう考えるのか?ということになる。
もちろん今の自分にその辺のはっきりした回答があるわけじゃないんだけど、例えば二点を結ぶ直線、とか、その直線上の点、という考えはユークリッド空間だからこそ認められるので、一般の距離空間では受け入れられない概念なんじゃないか?と。
あるいはこの状況で1+1=2をxとzの距離とみなすことに正当性はあるのか?という疑問もある。定義から二点間の距離はあくまで1が正しいはずで、途中経由したものを挟んでそれを二点間の距離と同一視することはまずいんじゃないか?という思いもある。
ともかくこんな感じではっきりした回答はないんだけど、少なくともこれを見れば距離空間というものが自分の常識に合致しないことは見て取れると思う。
こういう場合数学では定義だけを軸に据えて、それ以外は全部捨て去る必要があるだろうと思うよ。まぁそれが難しいから悩むんだけどさ。
続いてだけど、集合に距離が定まればそれを使って開球というものが定義できるだろう、と。こんな感じね。
左辺はxからの距離が1/2未満の元全体の集合、ということになるだろう。イメージはあくまでxを中心に円を描く、という感じだけど、距離の定義を考えればこの中に含まれるXの元はxしかあるまい。したがって=右辺が成り立つはず。
ところでこの考えだと開球の半径をもうちょっと広げた、こんなものも集合としては同じものになるだろう。
これは定義から当然のはず。ということは半径が大きくなったにもかかわらず集合としては全く同じ、ということになって、この辺がユークリッド空間での思考となじまないわけ。つまり迷いの素となる、というかね。
さらに集合の包含を言うなら、半径が大きい開球が半径の小さい開球に含まれる、(この場合、同じものだけどさ)ということにもなるだろう。右辺のように具体的な集合で考えれば当然のことなんだけどね。
こういうことを受け入れるにはそれなりの時間というか、経験が必要になってくるんじゃないか、という感じです。そして比較的多くの人がその事実を受け入れられないから、位相で単位を落とす学生がたくさんいるんじゃないか、とも考えられる。
あと開球についてだけど、離散距離空間について、距離として定義されてるのは0と1だけじゃない?なのに開球の半径をそれ以外で勝手にとっていいのか?というのも最初は疑問だった。
で、距離についての写像をあらためて考えると
正の実数を開球の半径に取ることは特に問題ないはず、という理解に落ち着いたよ。
この辺の疑問というか不安は自分だけかもしれないけど、今回の学習は自分の疑問点は出来るだけつぶしていくつもりだからね。こういうこともいちいち納得してから先に進みたいわけです。
さて、この辺まで何とか納得したら、後は開球を使って開集合を定義、それが位相になる、という流れ。で、実際にやってみたら離散距離から定まる位相は離散位相になるのかな。任意の部分集合が開集合になるというやつね。
自分の考えによるとそうなったけど、恐らく間違いではないと思うけど。
あと、離散位相について考えたけど、これって任意の部分集合は開集合であり、かつ閉集合でもあるはず。こういうこともユークリッド空間では成り立たないはずで、ともかくこの辺を乗り越えるには、いかに常識を捨て去って定義だけで物事を考えられるか、ということにかかってるんだと思うわけです。
まぁとりあえずやるしかないから始めますか。位相の定義とかについてです。
なんとなくやる気が感じられないタイトルだけど、実際はそんなことはありません。むしろ自分としては楽しみ、という部分も大きいです。
でも、だからと言って位相をきちんと理解できるのか?というと不安も大きいわけで、その辺の複雑な気分がああいうタイトルになったわけ。
まぁいいや。とりあえず始めますか。今回の講義はyoutubeじゃなくてこちらから。
実際に見てみると何とかついていけそうな気がするし、まずはこれで取り組んでみますね。
位相の最初ということでまずは定義だけど、これはいいか。ざっくり言うと集合Xについて、その部分集合族Oを考えるわけ。その集合族が例の3条件を満たす時、その集合族OをXの位相、と呼ぶ、と。またOの元、それは一つの集合だけど、それを開集合と呼ぶ、と。
さらに位相の定まった集合Xを、位相とセットで位相空間と呼ぶ、と。この辺はテキストにきれいに書いてあるので、むしろそっちを参照するべき。
さらに位相空間において閉集合を開集合の補集合として定めると、閉集合に関する例の3条件が成り立つ、と。ざっとこんな感じです。
閉集合族に関する考察で、集合の包含とかが出てくるけど、そっちは自分で復習しておいた。でも論理式までさかのぼってやっと理解できた、という感じだし、そっちはそっちで決して甘くなかったけどね。
さて、開集合族、閉集合族と、各々の3条件は互いに密接に関係していることとか。
具体的にはXに位相を入れる、というのはXに開集合を定義する、と言えるだろう。そこから閉集合を考えることが出来て、さらにその閉集合全体は閉集合族の3条件を満たす、という流れ。
これは逆に考えることが出来て、集合Xに、まず閉集合族の3条件を満たす集合族を設定すると、その補集合が定義できるだろう。そうしてできた補集合全体は、実は開集合族の3条件を自動的に満たすので、じゃあその補集合全体をXの位相として定義できるだろうから、その元は開集合、と呼べるだろう、という感じ。
わざわざ閉集合から物事を考える意味はあるのか?と言われると今の自分では何とも。でもなんとなく閉集合の方が思考がしやすい、ということはありそうな気がする。開集合で考えると思考が散らばりやすいというか。
だから、まず閉集合で考えて、最後にその補集合として開集合、或いは位相を考えるというのは手段としてはアリなんだろうと思うよ。手持ちの材料は多いに越したことはないしね。
最後に具体的な位相の例だけど、密着位相、離散位相、補有限位相の三つが例示されてるけど、これらはいかなる集合においても定義可能みたい。なぜなら定義自体が集合の話しかないし、ならばXが集合ならどんなものであろうと同じ話ができるだろう、と。
ただこの三つの中で補有限位相だけは初見だと思う。もしかしたら大学の講義で出たのかもしれないけど、いや、おそらく出たんだろうけど、一つも記憶にないし、まぁ初見、ということでよかろう。当時位相の授業を担当した教授には申し訳ない気分ですが。
まぁそれは置いておいて補有限位相だけど、定義からして閉集合で考えたほうが考えやすいのは確か。
{X}∪{F⊂X∣F は有限集合}
{∅}∪{X∖F∣F は X の有限部分集合}
という定義だけど、補有限位相の定義は下ね。でも上の方が明らかにわかりやすいよね。だからこそ、閉集合から先に考える、というのは状況次第では強力な武器になりうるんだと思う。
ところで補有限位相についてだけど、とりあえず位相になるのはいいとして、じゃあそもそも何なんだ?という疑問もないでもない。
ちょっと調べるとザリスキー位相とか、そんな言葉が出てくるけど、今の自分には縁のない話だろう。講義もこの辺は特に触れてないし、まずはこんな位相もある、というくらいでお茶を濁しておく。
さて、まずは手始めとしてこんなところにしておきますか。一応補有限位相についてはyoutubeとかでも確認しておきたいし、これに絞るなら効果的な講義も見つかると思う。
次回は距離を使った位相の入れ方考えるみたい。今はとりあえず与えられる課題を一つ一つこなしく行く感じで行くよ。
位相について、とりあえずの方針とか色々考えてみたけど、とりあえずカテゴリーは雑記で。
位相というと恐らく多くの大学生がくじける分野なのではないか。さらに言うなら、自分は多少は出来るとか、頭が悪くないとか、そういう根拠のない自信を木っ端みじんにしてくれるのが位相だと思う。
自分の経験を言うなら、大学で数学を勉強してた時に初めて授業が一言も理解できなかったのが位相というものだったよ。
今から考えるとさすがに一言も理解できない、は言い過ぎだと思うけど、それくらいのショックだったのはよく覚えてるし、その後の学習でも進展した気が全くしなかったし。実際全然進展はなかったんだと思う。
一応位相は必修科目でもあったけど、教授もどうやって学生に単位を与えるか苦労したんじゃないかね。まさか全員留年、というわけにもいかないだろうし。全員やる気なし、とかならともかくさ。おそらくお情けで単位を得たのは間違いなかろう。
一応言っとくけど、まぁそれなりにまじめに勉強はしたと思うよ?図書館とかにも通い詰めたし、質問とかもしてたし。でもさっぱりなんだよなぁ。ちょっと当時を思い出して鬱になった。
さて、そんな感じで色々インパクトのあった位相の講義だけど、次回からはその学習に取り組んでみようかと。正直自信は皆無だけど、学生の当時とは状況も環境も違うし、試験に追われることもないし。それに今やらなかったらもう一生位相を理解することはないだろうと思うとちょっと悔しくもある。
そういうわけで位相の講義に使える動画とかホームページを探したんだけど、なかなか適当なものが見つからない、というのが本音。
もちろんきちんと書いてあるものもあるんだけど、かっちりし過ぎてて自分の理解が及ぶのか?という不安を感じるわけ。まぁ講師や著者からすればそんなことを言われても困ると思うけどさ。
とりあえずどれをとっても不安がある、というか不安の原因が自分自身にあるんだからどうにもなるまい。そこで調べた結果、とりあえずここを軸にしていこうかな、と。
多くの科目も見つかるし、見た感じ、位相についてもどうにもならないと感じるほどではない。それに位相について一通り網羅されてるようだし、最悪目次として利用することもできるだろう、と。もちろん理解が目標だけどさ。一応主に利用するのはここね。
その他だけど、軸が決まれば後は項目ごとにわからない部分を個別に調べて進めていく、という感じかね。どこまで行けるかわからないけど、とりあえずそんな感じで行こうと思う。
さて、とりあえずこんな感じだけど、学習以前、ということでちょっと位相について考えてみる。連続についてなんだけど、とりあえず普通のユークリッド空間での話。とりあえずこんな関数fを考えて
これが連続であることの定義を二つ書いてみる。
上がいわゆるεδを使った定義で、開球を使ってるからちょっとわかりにくいかもだけど、よく見れば納得が出来ること。一方下は位相でよく使われる連続の定義ですね。
この二つが同値であることを示す、というのが問題なわけだけど、そのために必要な道具が集合における写像なわけ。位相というのがしばしば集合とセットで語られるのは決してだてじゃない、というか。
でも集合における写像って、ほら、たくさん式を並べられて、これらが成り立つだとか、逆の包含は成り立たないとかさ、とても覚えきれるか、と切れた覚えはないだろうか?切れはせずとも適当に流すのが普通の学生というものだろう。
でも位相を学ぶなら、適当に流して終わりじゃあどうにもならなくなるわけ。少なくとも位相を学ぶ際にもう一回一からやり直すか、ということにならないと、結局位相が理解できないまま終わるんじゃないか、というかね。
ちなみに上の、関数の連続性を示すために必要な集合としての材料はこれくらいかな。
として、まずは逆像の定義。
薄くて申し訳ない。でも単に逆像の定義だけです。でもこれをきちんと使えるか、というと意外と難しい印象。
さらにもう一つがこちら。
これは上の逆像の定義をきちんと使えるなら証明は難しくないと思う。一応こんな感じね。
これを示すために逆像の定義しか使ってない印象けど、初見でサクサク出来る、というものでもないだろう。逆に言うなら定義として明示されていても、それがきちんと使えるようになるには経験がいる、というかね。
ともかくこれで連続の同値性を示すための道具がそろったので、後はまぁMathpediaを見てもらえばよかろう。普通に理解できるし。
さて、とりあえずこんなところだけど、次回から位相を学習するにあたって気を付けるべきことは、わからない部分をないがしろにしない、ということかな。たとえ進行が遅くても着実に歩を進める、という感じで行こうと思う。
理想を言えば3月中には、わかった、と言えるようになりたいけど、果たしてどうなるかな。まぁあきらめることはないと思うんだけどね。